話の広場
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11月末から始まった一年で日が短い時期

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ・・・。と気が急いているストンと夜になる(秋の夜は釣瓶落としみたい・・・)。師走の慌しさに輪をかけるものは、ひどく早い日暮れだろう。12月16日・東京の日没は16時28分。気ぜわしい時候だが、冬至を前に短日はピークを過ぎる。札幌は12月16日、東京は14日、福岡では16日からは日没が遅れ始める。日の出は正月にかけてなお遅くなるから冬至に昼間の時間が最短となる。しかしそれを待たずに「一陽来復」は日没に兆すわけである、。大晦日は、この記事の投稿記事12月6日より、9分も日が長い。(2015.12.06.日経新聞「春秋」を加工)

個別ページへ |Posted 2015.12.7|

「恋の季節はいつ?」  日本気象予報士協会元会長・石井和子氏

中緯度温帯地域にある日本では四季の巡りが美しい。地球が23.4度傾きながら太陽のの周りを回っているからこそ、この偶然の賜物である。私は時々学生たちに個人的にはどの季節が好きか、もし恋人とデートするならいつが好きか?と、たわいのない2つの質問をしてみる。

先日の結果は、冬が24%とやや多く、次いで夏と秋は大差がなく、春と答えた人は13%と一番少なかった。花粉症に悩まされるので春を辛い季節と書いた学生が多い。春の芽吹きや、夏の太陽のもとの海や山でのスポーツ、秋風や紅葉、さらには冬の朝のぴりっとした空気、夜空の美しさに若者なりの季節を実感していることが分かった。季節の変わり目が好きと答えた人も何人かいる。

さらにデートするにはどんな季節が良いかでは、冬が63%と圧倒的に多い。クリスマスやバレンタインをはじめ恋人向けの行事も多く、イルミネーションもロマンチックで、スキーにスケートにと、冬は一番人気の高い季節となっている。そしてここでも春は人気が少なく、夏とともに10%足らずであった。

15年ほど前に同じような質問を、赤坂見付駅で待ち合わせていた人達にしたことがあった。この時は春と秋とが半々で、春は「これから何かいいことがありそうで浮き浮きしてうれしい」秋は「人恋しくなるから」とのことであった。昔から春は恋の季節と言われてきた。平安時代、秋は厭きに通じて恋が余りうまく行かないと思われていたふしがり、不毛の季節でもある冬の恋も、源氏物語の匂宮と浮舟の場面ぐらいしか私には思いつかない。現代の恋人たちにとっては冬が恋の季節と言えそうだ。(2015.12.02.日本経済新聞「明日への話題」から)

個別ページへ |Posted 2015.12.4|

多くの感動を与えてくれたドラマ【北の国から】作家・倉本 聡 

「北の国から」のシナリオ案が固まってきた。内容は、妻と別れて小学生の息子と娘を連れて東京から生まれた故郷の富良野に戻り、元の生家である廃家に暮らし始める男の物語。初めは電気も水道もない。この3人が主人公だ。番組のスタートは1981年秋と決まる。1時間番組で24話で2年間。倉本 聡の書斎の張り紙に「人間を!」「やんちゃに!」「ボルテージ!」と大書してある。

一番大事なのが人間、つまり登場人物たちをしっかりと造形して、縦横に生き生きと動かしたい。全体の構成に大きな起承転結をつくる。さらに、一話ごとに起承転結をつくる。これが倉本 聡のドラマ作りのセオリーだ。主役の名は 黒板五郎。高校を出て集団就職で上京。しかし東京になじめず、結婚生活も破綻して、ふるさとの北の大地に根を下ろしして愚直に生き直そうとする。この男、自分の座標軸を持った骨のある奴だが、女癖も酒癖も決してよくないし、欠点が一杯ある。主役は格好悪い方が魅力的になる。

キャスティングが進み始めて、五郎役候補に「高倉 健・緒方 挙・中村雅俊・西田敏行・田中邦衛」が挙がった。一番情けないのは誰か!ということで満場一致で田中邦衛に決まった。 倉本 聡は言った「今までの田中邦衛さんを全部捨ててください」と依頼した。邦衛さんは唇をとんがらかして「そんならなんで俺に頼むんだ」と怒る。が、彼の黒板五郎は素晴らしかった。

純と蛍と名付た子役の2人はオーデションが始まった。純には10歳の吉岡秀隆、蛍には9歳の中嶋朋子が300人の応募者から選ばれた。吉岡はガッツのある元気な少年、中嶋は体力もなくて頼りない感じの少女だった。主役の役者3人の印象は「陰」である。五郎の別れた妻の令子役に、いしだあゆみ、令子の妹で富良野に来る雪子に竹下景子、草太兄ちゃんの岩城滉一など「陽」の役者をまわりに配した。

収録が始まった。1年半は長丁場。富良野青年会議所(JC)の人たちがいる麓郷を中心にロケを開始。北海道ではフジテレビはほとんど無名で信用がなく、ツケがきかず、宿も食事も車もすべて現金払い。番組スタッフだけで60~70人。出演者にも付き人があいる。長い付き合いのプロデユーサーの中村敏夫さんが分厚い一万円札を携えてやってくる。折り紙つきの「陽」の敏夫さんが目に見えてやせてきて、ついに心因性膵臓炎で入院。予算超過のストレスだった。結果、製作費は15億円に達して当初予算の2倍を超えた。 (日本経済新聞「私の履歴書・倉本 聡24回目を引用)

個別ページへ |Posted 2015.8.27|

月刊誌「致知」5月号から「歴史の教訓」を転載

【中国を原子力産業の覇権国にしてはならない】上智大学名誉教授・渡辺昇一氏の投稿から】

新幹線で『Wedge』を読んでいたら、カルフォニア大学バークレイ校教授のリチャード・ムラー氏の「先進国世論のアレルギーで「中国の原子力産業が覇権を握る」と題した記事が眼に飛び込んできた。ムラー氏は、今世紀末にかけて世界の人口が100億人達することを考えると、重要なエネルギー原はやはり原子力です」と発言したうえで、人口が激増するアフリカ、アジア、南米で原子力が普及することを予測「その時、発電所を提供するのは誰でしょうか?世論の激しい反対のために技術力を維持できない日・米・独に代わり、中国が大きく台頭するでしょう」と結論つけていました。

ここに記載された内容は私(渡辺昇一氏)が懸念し、警鐘を鳴らしてきたそのままの真実に他なりません。ムラー氏が指摘するように、先進国は皆、原発アレルギーを抱えています。日本はもとより、ドイツ、イタリア、アメリカも。そうなると原子力アレルギーのない国がものすごく得をするということになります。その筆頭は中国です。追突事故を起こした高速鉄道を”鉄屑”だと言って地中に埋めてしまうくらい科学技術は未熟です。そんな不完全な技術でも国家が強力に牽引し、無理やりにでも形にしてしまうところに国の恐ろしさがあります。その間に先進国がもたもたしていたら、彼我の技術力は逆転してしまうのは明らかです。

日本は原子力に関して世界一安全で高技術を誇る国であることを忘れてはいけません。想定外の津波被害は別として、東日本大震災の激震での破損はゼロでした。安全性はその後の研究で一層高まっています。放射線の被害を受けた人はまだ一人も知られていません(被害者は強制立ち退きなどのストレスが原因と言われています)。いま世界中の国にとって日本の高度な原発と技術者たちの腕は垂涎(スイゼン)の的です。韓国や中国に引き抜かれないようにしなければなりません。国内の原発が停止する中、それを虎視眈々と狙う隣国がある!という事実を受け止め、再稼働を急がなくてはいけないのです。(月刊志「致知」より転載)

個別ページへ |Posted 2015.5.13|

卵の自動選別包装装置・南部邦男社長

世界中で毎日のように食べられている鶏卵。新興国でもサイズ別に詰めて販売することが多くなっている。京都市に本社がある「ナペル」は、国内で初めて卵の自動選別包装装置を開発。技術料が評価されて国内で8割、世界で2割のシエアーをも持つ。1964年 父親とともに家電メーカー向けの制御機器製造会社を立ち上げた。

しかし、下請けとして厳しい環境が続き「他社がまねできないものを作れば価格決定権を握れる」という思いを強くしていた。そんな時に友人の言葉をヒントに開発を思い立ったのが卵の選別包装機であった。 南部社長らは下請け仕事が終わった後に連日、遅くまで開発に没頭。パックに卵を落とす方法を工夫することで、ぶつからず割れない装置などを考えついた。5年の歳月をかけて79年1号機が完成。欧米製の4分の1程度という低価格で売り出すと「全国の養鶏業者などに飛ぶように売れた」ただ、「いま振り返ると冷や汗がでるほど低い性能だった」と笑う。

現在の装置はコンベアーに流した卵を洗浄・乾燥させ、ひび割れなどを検査。重さを瞬時に判断んし、 LMSなどサイズ別に分類して包装する。一連の作業はコンピューターで管理しおり、卵を流してからパック詰めまでの時間は5分程度。1時間に12万個の卵を処理できる。(日経新聞2015.02.02・南部邦男社長とこのHPの管理者は台湾の烏山頭ダムを通じての知合い)

個別ページへ |Posted 2015.2.16|