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名古屋城本丸御殿玄関の復元 【2010年秋?】

かって名古屋城の本丸には、天守閣とともに本丸御殿がありました。この本丸御殿は、近世城郭御殿の最高傑作として、現在、国宝になっている京都二条城の二の丸御殿と並び、武家風書院造の双璧と言われた建物です。

勇壮な天守閣と優美な御殿が並び建つことで、名古屋城は城郭建築としての風格を形成しており、1930年(昭和5年)に城郭建築として国宝第一号に指定されましたが、大変残念なことに1945年(昭和20年)の空襲により天守閣とともに消失してしまいました。
しかし、本丸御殿の室内を豪華絢爛に飾っていた、1049面にのぼる襖絵や天井板絵などは、戦災を免れ、国の重要文化財として今も大切に保管されており、また江戸時代の文献や確実な実測図、多くの古写真が残されたいることから、史跡に忠実な復元が可能だそうです。
戦後の復興に伴い、天守閣は、1959年(昭和34年)に多くの市民の熱意に支えられ再建されましたが、本丸御殿の復元はいまだ実現していません。2007年(平成19年)文化庁から現状変更許可がでて、2008年に着工し、名古屋開府400年には玄関の一部を市民に公開できるよう、本丸御殿の復元工事が進められています。
建設中の本丸御殿は風雨から守るために設けられた大きな屋根(素屋根)の中で、一部の木材搬入とともに、足場仮設が進められています。10月の玄関復元に向けて、いよいよ玄関、大廊下の柱や梁などの組みたてが始まるそうです。
(引用文献・名古屋市民経済局)

 |Posted 2010.6.22|